初めて、自作PCを作られようとしてる方向けの記事で詳しくは書いていなかったので、個別の記事としてCPU選定の記事を書きたいと思います。
自作PCは、まずはCPUの選定を行いますのでCPUについて説明します。
目次
コア数とスレッド数
よくCPUって脳に例えらると思うんですが、コア数4だと物理的に脳が4つあるというイメージになります。
スレッドは1本の糸ですが、1本の流れしかない事を示しています。
スレッド数2になれば、糸が2本独立して干渉しない状態になれます。
脳1つだけど、マルチに2つの考え事ができます。
ですので、コア数4・スレッド数2だと脳4つで8つの事を同時に考える事ができます。
昔はコアもスレッドも1つで、無限ループ等でCPUの処理が止まってしまうと完全にスリープしてしまうという事になっていましたが、コア・スレッドが分かれていれば完全に停止するという事もなくなってきました。
コア数・スレッド数が増えると消費電力が上がるので、熱でCPUの性能が落ちる。
スレッド数を増やしすぎるよりコア数を増やすだけの方が、高性能になるという論争も一杯ありました。
が、今の技術であればスレッド数が多い方が純粋に高性能になると思います。
クロック周波数
クロック周波数は、処理速度になります。
単位はHz(ヘルツ)になります。
値が大きいほど、高性能になります。
クロック周波数が大きくなると、発熱が大きくなります。
ノートPCだと、クロック数を下げて発熱を下げています。
オーバークロックと言って、定格以上に上げれるCPUもあります。
ただ、オーバークロックは性能を上げる代わりに寿命を縮めます。
自己責任で行いましょう。
ソケット形状
CPU選定で確認しなくてはいけない規格が、ソケット形状になります。
マザーボードのソケットとCPUのピンが合わなくてはいけません。
ソケット形状
- LGA1200
- Socket AM4
といった形で、規格が決まっています。
この規格で、マザーボードを選定します。
TDP
Thermal Design Power(熱設計電力)の略で、TDPという数値が大事になります。
CPUの発熱量を示していますので、CPUクーラーの選定に関わります。
PCケースのサイズ・エアーフローがあるので、計算だけでは選定できないところがあるのですが。
最大消費電力になりますので、小さい物を選べば電気代が安くなります。
そして、電源を選定する時に必要になる数値です。
おススメのシリーズ
CPUは多くありますが、自作するからにはある程度のCPUを積みたいと思います。
- Core iシリーズ
- Ryzenシリーズ
Core iシリーズ
Intel製のCPUになります。
- Core i3
- Core i5
- Core i7
- Core i9
数字が大きくなる方が、高性能です。
シリーズ名になるので製品名には、「Core i5 ****」となって左が世代になります。
- 第9世代:Core i5 9***
- 第11世代:Core i5 11***
といった具合です。世代が後の方が最新になるので性能が良くなります。
第11世代のコア数・スレッド数は
コア数 | スレッド数 | |
---|---|---|
Core i3 | – | – |
Core i5 | 6 | 12 |
Core i7 | 8 | 16 |
Core i9 | 8 | 16 |
こんな感じになりますが、世代によって変わります。
第11世代には、Core i3の製品がありません。
記号の意味
F
- 内臓グラフィックスなし
を意味します。
内臓グラフィックスがない分、安価になります。
グラフィックボードを別に購入する場合、F付きを選択したいです。
ただ、グラフィックボードは高額ですのでFが付かないCPUの方が、安価で組立てる事ができます。
K
- オーバークロックが可能
を意味します。
Kの付かないものと比較して、高価になります。
上でも書きましたが、オーバークロックは性能が良くなりますがCPUの寿命を短くします。
初めての自作PCでは、K付きはおススメしません。
ソケット形状
ソケット形状 | |
---|---|
第11世代 | LGA1200 |
第10世代 | LGA1200 |
第9世代 | LGA1151 |
第8世代 | LGA1151 |
第7世代 | LGA1151 |
この様に世代によって、ソケット形状が異なります。
世代が変わっても、ソケット形状が変更しない場合もあります。
CPUを買替える場合ソケット形状が同じであれば、マザーボードまで買替える必要がありません。
第6・7世代と第8・9世代で同じLGA1151のソケット形状なのですが、互換性はないという事もありました。
今から第6世代を購入する事はないと思いますが。
Ryzenシリーズ
AMD社製のCPUになります。
- Ryzen 3
- Ryzen 5
- Ryzen 7
- Ryzen 9
数字が大きくなる方が、高性能です。
シリーズ名になるので製品名には、「Ryzen 5 ****」となって左が世代になります。
型番 | |
---|---|
第1世代 | 1000番台 |
第2世代 | 2000番台 |
第3世代 | 3000番台 |
第4世代 | 5000番台 |
型番 | |
---|---|
第1世代 | 2000番台 |
第2世代 | 3000番台 |
第3世代 | 4000番台 (5000番台) |
第4世代 | 5000番台 |
Core iシリーズと違って型番を見て世代が分かりにくいですので、ちゃんと確認した方が良いです。
モバイル版はソケット形状が異なりますし、自作はできないのであまり気にしない良いです。
第4世代のコア数・スレッド数は
コア数 | スレッド数 | |
---|---|---|
Ryzen 3 | – | – |
Ryzen 5 | 6 | 12 |
Ryzen 7 | 8 | 16 |
Ryzen 9 | 12 16 | 24 32 |
第4世代には、Ryzen 3の製品がありません。
Ryzen 9は最上位モデルなので、バリエーションが色々あります。
ソケット形状
ソケット形状 | |
---|---|
第4世代 | Socket AM4 |
第3世代 | Socket AM4 |
第2世代 | Socket AM4 |
第1世代 | Socket AM4 |
今のところ、Ryzenシリーズはソケット形状に変更がありません。
CPUを買替える場合、マザーボードまで買替える必要がありません。
選定方法
CPUの説明はしてみましたが、製品は一杯ありどれにするか決めれないと思われるかと思います。
選定の基準としては、
- 性能
- コスパ
どこで、折り合いを付けるかになります。
性能
性能で選ぶのであれば、
- Core i9
- Ryzen 9
と、最上モデルになります。
- 第11世代 Core i9
コア数 | スレッド数 | クロック 周波数 | 最大動作クロック 周波数 | TDP | |
---|---|---|---|---|---|
Core i9 11900 | 8 | 16 | 2.5GHz | 5.2GHz | 65W |
Core i9 11900F | 8 | 16 | 3.5GHz | 5.3GHz | 125W |
- 第4世代 Ryzen 9
コア数 | スレッド数 | クロック 周波数 | 最大動作クロック 周波数 | TDP | |
---|---|---|---|---|---|
Ryzen 9 5900X | 12 | 24 | 3.7GHz | 4.8GHz | 105W |
Ryzen 9 5950X | 16 | 32 | 3.4GHz | 4.9GHz | 105W |
性能だけだと、Ryzen 9の方が高性能なCPUがありますが、値段がとても高いです。
お金に見切りをつけないのであれば、Ryzen 9にしたいですね。
コスパ
最上位モデルであればRyzen 9が良いですが、Core iシリーズには”F”の付かない内臓グラフィックスがある製品であれば、グラフィックボードを購入しなくて良いのでコスパが良くなります。
- 第11世代 Core iシリーズ
コア数 | スレッド数 | クロック 周波数 | 最大動作クロック 周波数 | TDP | |
---|---|---|---|---|---|
Core i7 11700 | 8 | 16 | 2.5GHz | 4.9GHz | 65W |
Core i5 11400 | 6 | 12 | 2.6GHz | 4.4GHz | 65W |
- 第4世代 Ryzenシリーズ
コア数 | スレッド数 | クロック 周波数 | 最大動作クロック 周波数 | TDP | |
---|---|---|---|---|---|
Ryzen 7 5800X | 8 | 16 | 3.8GHz | 4.7GHz | 105W |
Ryzen 5 5600X | 6 | 12 | 3.7GHz | 4.6GHz | 65W |
コスパを考えると、Core i7 11700・Core i5 11400といった内臓グラフィックスのある製品がおススメになります。
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