僕がエンジニア系のブラック企業で働いていた話

ちょっと自分語りでもしてみようかと思います。

ブラック企業かどうかは、その方の考え方なのでホワイト企業じゃんと思われるかもしれませんが、初めて勤めた企業が大変でした。

まあ、経験としてはとても有用だったので成長できたと思っているのですが。

1 入社まで
2 入社数ヶ月
- 2.1 やるしかないから頑張ってみました
- 2.2 すごい制度
3 社会人1年目
4 社会人2年目
5 社会人3年目
6 ブラック企業は成長できる

入社まで

僕は、大学で物理学を専攻していて宇宙とか素粒子の勉強をしていたのですが、大学院に行って勉強を続けたいと思っていたんですが、院試に落ちまして。

バカなのに、大学院目指すなと言われそうですが。

って事で、突然就活を始める事になりまして。
その年は就活は売り手市場と言われていたのですが、院試のちょっと前にリーマンブラザーズが倒産してしまいまして。
売り手市場どころか内定取消しとか言われてる中、就活が始まりました。

僕は、当時から

会社の歯車になりたくない！！！

とかバカな事を言って、中小企業ばかりを受けていました。(未だに同じ様な事言っていますが)
エントリーシートというものは書いたこともありません。

物理学を勉強していても何の仕事もできないので就活は困りました。
素粒子もビックバンも何も研究内容とかけらも関係のない制御盤設計の会社に内定を頂きました。

入社数ヶ月

4月1日が入社だったのですが、研修もなしに業務が始まりました。
同期が6人程いたのですが、みんな当然の様に残業していました。
今考えると、何で研修も受けてないのに残業ができていたのかと不思議に思います。

社長さんがお話しされる機会ってあったんですけど、

「うちの社員は取引会社さんからも高評価を頂いており、
うちの社員の1年生は大手企業さんの5年生ぐらいの力がある。」

と仰られて、優秀な社員さんばかりなんだなと思っていたら、
よく言えばOJT、普通に言えば丸投げといった教育方針でした。

上司が忙しくて、自分でどうにかしろって会社だったので成長せざるを得ないって環境でして、何のスキルもない社会人1年目が会社を辞めれるわけもなく適応するしかないという環境でした。

やるしかないから頑張ってみました

僕はコミュ障で吃音症かなと言う感じの人間で、客先に出れる様な人間じゃないんですけど、何もできない1年目のクズ社員に仕事を任せていただき成長できたのはとてもありがたかったです。
この会社じゃなかったら、ずっと客先には出れなかったかなと思います。

とりあえず、入社した4月からなんですが平均残業時間が100時間を切る事はなかったです。

当時、残業時間80時間で過労死ってニュース見て、
たった80時間で過労死するわけないじゃん！
とかって思っていました。

だって、19時～24時までの5時間の残業をすれば20日の残業で100時間なので、
土日全部休めるんだよ！

最近困るのが、
僕の中で、残業100時間までは当たり前という事なんですよ。
どうも他の企業さんでは当たり前ではない様でして、その調子で残業しようとすると怒られるんですよ。

すごい制度

この会社で、この制度考えた人天才だなと思うものがありまして。

60時間の見込み残業
残業100時間を超過すると、有給の支給

という制度がありまして、60時間～100時間の間は残業代は支払われるけど、以降は有給が支給されるけど、残業100時間超える人間って土日も出社して賄ってるんですよ。
そんな人間が有給使える道理なんてないんです。
当然の様に有給は消滅していきましたね。
使えもしない有給を支給して、実質40時間分の残業代で社員を使えるすごい制度だと思ってました。

ちなみに、残業管理が紙ベースだったので電子化しませんか？
って提案したら拒絶されたのには驚きました。
毎日書いてた残業申請書はどこに行ってたんだろう？と思っています。

社会人1年目

制御盤設計の会社に入社したので、入社半年ほどはAutoCADで図面を書いていたのですが、入社半年ぐらいで、VB.netの案件というものが降ってきまして。
しかも、手伝いとかじゃなくて担当としてシステム組むという事になりまして。
先輩と二人の案件でしたが、先輩は別のシステムを組んでいたので別作業でした。

大学は、素粒子のエネルギーをペンと紙で計算していた僕はプログラミング言語というものに触れた事もなかったので地獄でした。

帳票を作ってたのですが、24時間1週間を作るのに、
(6, 23)の2次元配列を作らずに168個の1次元配列を使って、怒られるってレベルの素人でした。
同期の取り方がわからないので、グローバルのフラグを大量生成するというゴミを作ってしまいました。
今も稼働しているのかわかりませんが、本当に申し訳のないゴミを納めてしまったのですが。
今もメンテされていたら申し訳ありません。

社長さんが突然、朝礼で
「この案件は社運が掛かっており」
とか言い出して。

え？そんなん聞いてないんだけど。てか、入社1年目に社運掛かってる案件任せるなよ！とプレッシャーだけ与えられてました。

それまでは、月100時間残業してても何ともなかったのですが、この頃から精神的に大変になっていきました。
なぜか毎日下痢になってしまったりしてました。
過呼吸ぽいのを上司に見られたという事もありました。

でも、全ての事より優先順位が上位にいるのが、このシステムを納期までに納入する事でした。
この頃は3時に退社とかは当たり前になってましたね。
ただ、5時に寝て8時に起きるって生活が続いてくると、なんで家に帰らないといけないんだろう？って思う様になってきましたね。
会社の床で寝てれば、もっと一杯の時間寝れるんですよ。
この頃は、寝袋を買うって発想がなかったので会社の床で寝ると痛かったです。
あと、7時頃になると秘書の方が出社されるのですが、ゴミを見る様な目で見られるという事もありましたし。

大変でしたがこの案件があったから、今の自分があると思っています。

プログラミングの経験のない人間に、プログラミング案件全てを任せてくれる会社ってなかなかないと思います。
当然、プログラミング言語だけじゃなくてSQLもわからないし、1人で客先に行かせてもらえるってすごいんじゃないかと思います。

ただ、ぐるぐる回ってる高速道路で降りれなくて3周ぐらいした事と客先の駐車場でぶつけた事はイヤな思い出です。
客先の敷地内で事故を起こすと保険が降りないんですよ。

社会人2年目

制御盤設計の案件って、

板金の制作 → 塗装 → 配電

と外注に出してる期間が手が空くので、他の案件が一杯入れられます。

僕は、無能なので3案件でも悲鳴を上げていたのですが、マネージャーは10案件と抱えながらマネージメントもされてました。
まあ、お忙しいから報連相の報連はいらんから、問題が起きた時に相談だけ来いってマネージメントでしたが。

2年目には、制御盤の設計以外にビルの電力監視システムというものが入ってきて、これも大変な目にあいました。

この案件で初めて、月の残業時間が200時間を突破しました。
1週間会社に泊り込んでると、髭も伸びるんだけど客先に行く前に髭剃る時間なんてないんですよ。
怒られるけど、当然風呂なんて入らずに客先行きますよね。

この頃から1日の睡眠が3時間以下になっていきました。
案外生きていけるものなんですね。
って、しょっちゅう気絶してた様な気もするんですが。
この会社、仕事さえしていれば寝てても誰も文句なんて言わない会社だったので、業務中に寝てただけかもしれません。

この案件のおかげで、ビルの電力管理システムを販売している会社に転職できたので、足掛かりとして役に立ちました。

社会人3年目

僕は仕事が遅いので下に作業する人をいっぱい付けてもらえる様になったんですが、中国人とカンボジア人と日本人以外の子もいて大変でした。

中国人の子は優秀だったのですが、カンボジア人の子がすごい困る子でした。

技術は勉強してもらうしかないとしても。

仕事が終わってないのに、定時になったら帰っちゃうし。

その子は定時に帰ってるから、僕らが24時とかにも会社にいるって事を知らないし。
残業する様に言ったら、上司に文句を言って帰って行きました。

上司も僕には、会社の方針が残業して案件を熟していくって会社なんだからって空気は出していたので、勝手に空気を読んで悪者になっていいからと残業する様にと言っていましたね。

日本人以外に残業させるのって、とても大変なんですよ。

ちなみに、一緒に仕事してたベトナムの子はすごい優秀で、飲み会あっても会社に戻って仕事してましたね。今でも連絡を取れるのはこの子だけですね。

ほかに、中途で入ってきた日本人の方もいたんですが、
「俺、21連勤なんですよ。」
って言ってたので、僕は28連勤ですね。って返したんですけど、
そのあとすぐに退職されたので、もしかしたらもう限界って合図だったのかもしれないな？と今では思います。
当時は、まだ1ヶ月働いてないやん！程度に考えてましたね。

まあ、僕もその後に辞めるんですけどね。
3年目以内に辞めれば、第二新卒の権利があるとか思って辞めたいって言ったんですけど、
この案件終わるまでやってほしいって言われたからやってたら、次はこの案件って出てきて、僕より後に辞めるって言った人が退職したりでいつ辞めれるんだろって働いてました。

そーいえば、キーエンスから転職されてきた方が
「この会社、キーエンスより大変だ。」
って言って、楽しそうに働かれていました。